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美容鍼の効果 持続時間と筋肉アプローチ

顔や全身のツボに鍼をすることで、むくみやたるみ、にきび、しみ、しわなど顔のお悩みや、心身のつらい症状を改善する「美容鍼」。その効果はどのぐらい持続するのでしょうか? また、美容鍼では「皮膚」だけでなく、皮膚の下にある「筋肉」を意識的に刺激することで、より効果が高まることがあります。そこで今回は、美容鍼の効果持続時間と筋肉へのアプローチにクローズアップします。

目次

症状の原因を根本的に改善すれば、効果が長持ちする

美容鍼では、ごく細い鍼で皮膚を刺激して皮膚の代謝や血流を促し、筋肉のこりを緩めることで美容上の悩みや身体の不調を改善します。鍼による皮膚への刺激が持続するのは、一般的に2週間ぐらいと考えられます。ただし、症状の程度や生活習慣、ストレスなどによって、効果が持続する時間は人それぞれです。
例えば、肩こりの施術では、実際にこりっている部分(肩や首)にアプローチして血流を促すことで、数日は効果が持続します。ただし、猫背、胃腸の機能の低下や腰痛をかばうような姿勢でいることなど、身体の他の部分に不調が肩こりの原因になっていることもあり、その場合には根本的な原因を改善・解消することで、効果の持続時間がより長くなります。

最適な頻度は、最初週1回、その後は月1~2回

症状によっては、1回の施術ですぐに効果がみられないこともありますが、大抵の場合、何回か繰り返しケアを続けることで良くなっていきます。ただ、施術によって症状が改善しても、生きている以上、人間の身体は確実に老化していきます。またストレスや生活習慣、季節の変化など、身体への負担はかかり続けていますから、何もせずにずっと良い状態を維持するのは難しいかもしれません。
個人差はありますが、施術の効果をできるだけ長く維持し、快適な状態で日常生活を送って頂くために、カリスタでは症状が改善するまでは週1回、改善した後もできれば月1~2回程度のペースで通ってケアを続けることをおすすめしています。

一般的に、施術を重ねるごとに効果の持続時間も長くなる傾向があります。これは、美容鍼により細胞が活性化するからだと考えられます。鍼で皮膚を刺激すると、細胞が「身体が傷つけられた」と認識し、傷ついた部分を回復させるために皮下の細胞が活性化して血流が活発になったり、コラーゲンやセラミドの分泌を促したりといった働きを始めます。
何も起こっていない、つまり、細胞があまり働いていないところに刺激を受けるより、活発に働いているところに刺激を受けたほうが働きが良くなり、効果の持続を実感しやすくなります。さらに施術を重ねることで、その人が本来持っている自然治癒力も高まっていきます。

少しずつ身体を慣らして変えていくのが理想

つらい症状を急いで改善したいときなどは、強い刺激を与えたほうが早く効果を得られるのではと考える方もいるようですが、一概に「痛いほうが効く」「鍼をたくさん刺すほうが効く」「深く刺したほうが効く」とはいえません。
強い刺激を与え続けると、身体は強い刺激がなければ反応できなくなってしまうため、弱く少ない刺激でいい状態をキープできる方が、自然治癒力が高い状態だと考えられます。小さな子供は鍼を刺入せず、皮膚表面への接触鍼だけで身体が反応し、状態が変化しますが(小児鍼といいます)、大人になり、刺激に対する反応が鈍くなればなるほど、強い刺激が必要となります。
また、人間の身体は非常に順応性に富んでいるため、筋肉のコリがある状態がしばらく続くと、痛みを感じにくくなります。一人ひとり身体の使い方は異なりますが、コリや不調をかばうような身体の使い方になっていくため、1回の施術ですべての筋肉のこりを解消したいからと、短い間隔で強い施術を集中的に受けてしまうと、急激な変化に身体が追いつかず、揉み返しが起こったり、他の部分に痛みが発生したり、身体に対する負担は大きくなります。ある程度の間隔を空けて、変化を確認しながら施術を受け、少しずつ身体を慣らしていくほうが、結果的に負担も少なく、効果も維持しやすいと考えられます。
また強い刺激を与え続けると、その刺激に身体が慣れてしまい、より強い刺激でなければ効果が出なくなることもあります。したがって、少ない刺激でその人が本来持っている力を活性化し、元の良い状態に戻すことが理想的だといえるでしょう。

顔のくすみやたるみには、皮下の筋肉を意識したアプローチを

顔のくすみは、首や顔の筋肉のこりによって血行が悪くなり、皮膚のターンオーバーが遅れることで起こります。また、肩や首、頭皮の筋肉が固くなると顔の筋肉もそれに引っ張られて頬がたるんだり、血液やリンパ液の流れが悪くなってむくみやすくなったりします。
そのため、美容鍼で顔のツボを刺激して筋肉のこりをほぐし、血行を促進することで、くすみやむくみ、たるみなどが解消され、肌に透明感やハリが出てフェイスラインもシャープになります。

カリスタの美容鍼では、ツボや皮膚の下にある筋肉、脂肪ポケットを意識しながらアプローチしていきます。
例えば、首の前方や顔面のこりが原因と考えられるくすみには、耳の後ろにあるツボを刺激して首前方の筋肉(胸鎖乳突筋)のこりを緩めます。顎関節の硬さやエラの張りは、歯をかみしめる癖のある人や肩こりのある人によくみられますが、かみしめ癖がある場合には耳の後ろや前にあるツボ(咬筋、頬筋)を、肩こりの場合には首の後ろにあるツボ(頭板状筋、後頭筋)に鍼をしてこりをほぐします。歯をかみしめる癖はストレスが影響していることもあるため、首や背骨、手首、みぞおちなどストレスを和らげるツボへのアプローチを行うこともあります。
また、しわが気になる場合には、しわが起こりやすい前頭筋、眼輪筋、口輪筋などを刺激することで筋肉がほぐれ、血行が良くなって肌にハリが戻ります。

「使いすぎ筋」を緩め、「サボリ筋」を刺激する

顔には多くの筋肉がありますが、顔の筋肉はとても薄く、皮膚のすぐ下にあります。多くの人にとって、よく使われる筋肉と、ほとんど使われていない筋肉があり、よく使われている筋肉は、頑張って使いすぎているためにこりが出て、血流も悪くなってしまいます。一方で、あまり使われていない筋肉は怠けがちになり、筋力が低下することでトラブルにつながることもあります。

いつもがんばっている「使いすぎ筋」は、筋肉も拘縮しやすく、コリが現れやすいです。食べ物を咀嚼したり、話したりするときに使う顎の筋肉や、唇の下の筋肉はよく使われるので、ゴリゴリとした硬いコリやリンパの滞りが見られます。特に、言いたいことを我慢しがちな人は、口周りの下にグッと力が入るので唇の下から顎にかけて硬くなっていることが多いようです。額から前頭部は、上目遣いが多くなったり、眼精疲労、首のこりがあると、こりやすくなります。

一方、目の周りの筋肉や唇の周り、小鼻の横の筋肉は、あまり使われていない「怠け筋」です。ここは、たるみが現れやすいエリアです。唇の周りの口輪筋と呼ばれる筋肉は、赤ちゃんが母乳を飲む際に使われますが、大人になると普段意識して使うことが少なくなり、この部分の筋力の低下が、ほうれい線の出現につながります。また、加齢に伴い、目の下のたるみ(ゴルゴ線が出現する)、口角が下がる、頬がたるむなども、口回りや小鼻の横の筋肉の老化が原因とされています。同様に、年齢を重ねるにつれ、まぶたが落ちてくるのは、眼の周りの筋肉の筋力低下によるものです。美容鍼で、使われすぎている筋肉のこりは緩めて、使われていない筋肉を刺激すると、顔の悩みの解消につながります。

就寝時の食いしばりや奥歯のかみしめ癖が、筋肉のこりの原因に!?

前述の通り、美容鍼によるアプローチで悩みが解消しても、何もしないでいると再び元の状態に戻ってしまうことがあります。例えば、最近女性に増えている、就寝中の歯の食いしばりや、無意識に奥歯をかみしめる癖が原因で起こる首やあごの筋肉のこり。美容鍼でこりを緩めることは可能ですが、食いしばりやかみしめ癖が治らなければ、せっかく緩めた筋肉もまた硬くなってしまいます。寝ている時は力のコントロールができないため、歯がかけてしまうくらい、想像以上の力が加わります。しかも、あごの筋肉を自分でほぐすことは難しく、ひどくなると首・肩のこりや頭痛にもつながります。

顎関節の緊張を和らげるには、寝る前のリラックスが大切です。寝る直前までパソコンやスマホを使っていると、布団に入ってからも脳がなかなか休まらず、身体の力も抜けません。そのまま無理に寝つくと食いしばりにつながることがあるため、寝る1時間前にはパソコンやスマホをオフにして、明かりもやや暗くし、リラックスしてから眠りにつくと良いでしょう。また、歯の食いしばりは、多くの場合ストレスが主な原因になっているといわれています。カウンセリングを行い、食いしばりの原因となるストレスの解消や生活習慣の改善なども含めたケアを継続していくことが大切です。

効果を持続させるにはセルフケアも大切

美容鍼の効果を継続させるためには、日常生活でのセルフケアも重要です。冷えや胃腸機能の低下は、筋肉のこりや血行不良の原因になります。なるべく身体を冷やさず、胃腸に負担をかけない食事を心がけましょう。目の下のクマが気になっている方は、食事の内容を見直してみてください。ダイエットのためにサラダやヨーグルトを主食代わりにするなど、身体を冷やす食べ物を多く取っていませんか? 目の下の皮膚は顔の中でもっとも薄く、毛細血管の色がそのまま出てしまうため、冷えが改善されて血流が良くならないとクマも解消されません。生ではなく火を通した温かいものを取る、水は常温か白湯にする、夜は体を冷やす食べ物は摂らないなど、食生活のちょっとした工夫が冷えを改善し、美肌を保つことにつながります。

スキンケアは強すぎないように注意!

スキンケアの際に、パッティングをする方もいると思いますが、肌をパンパンたたくと毛細血管が傷ついてしみの原因になることも。化粧水やクリームは手のひらで優しく押し込むようにしましょう。乾燥対策には、洗顔後しばらく放置してからスキンケアをするのではなく、直後にすぐにスキンケアをした方が乾燥しにくいと考えられています。マッサージも力を入れすぎたり、強くこすりすぎたりすると角質層が傷ついて、しみや乾燥の原因になってしまいます。オイルやマッサージクリームを使って摩擦を防ぐ、皮膚表面をこするのでなくその下にある筋肉を動かすようにするといった対策をしましょう。また圧を強くかけすぎず、自分で押して「気持ちいい」と思える程度にとどめてください。

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本コラムの監修

CHIHIRO

美容鍼灸サロン CALISTA美容鍼灸サロン C by CALISTA 総院長
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(鍼灸師)

経歴:
大学卒業後、TV局アナウンサー、PR会社勤務を経て、女性限定鍼灸サロンCALISTAを設立。雑誌・テレビなど掲載多数。多種の口コミサイトで高い評価を集める。美容鍼・経絡美容鍼灸の第一人者。著書に『~ココロとカラダがかがやく~ 美人のツボ』、『~女性限定鍼灸サロンが薦める~ 美ツボBOOK』がある。

所属:
伝統鍼灸学会全日本鍼灸学会日本鍼灸師会東京都鍼灸師会

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