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鍼で内出血を起こすことはある? 治し方は?

鍼治療の副作用として「内出血することがある」と聞くと、不安に感じる人もいるかもしれません。施術に使う鍼は非常に細いものですが、血管に触れると出血する可能性があり、内出血が「絶対に起こらない」とは言い切れません。

ただ、内出血そのものは身体に害をおよぼすものではなく、ほとんどは時間がたつにつれ薄くなり、自然に消えていきます。不安を解消するためにも、内出血が起こる原因や対処法、予防法などを知っておきましょう。



目次

鍼治療で内出血が起こる原因

鍼で内出血が起こる原因は?

安全で副作用が少ないといわれる鍼治療ですが、治療のあと、青あざができることもあります。これは皮膚に鍼を刺したときに、血管を刺したり、傷つけたりして内出血を起こしたためです。

通常、血管壁には弾力があり、異物である鍼が身体に入ると血管のほうがよけてくれます。ところが、血流の悪いところは血管の弾力性が低下しており、鍼をよけきれずに傷ついてしまうことがあります。

血管が破れると、そこから血液が皮下組織に漏れ出します。漏れ出した血液がそのまま皮膚の外側に出てしまえば内出血にはなりませんが、血液が皮下組織に残ってしまうと内出血となり、皮膚の色が赤紫や青に変わるのです。

鍼治療で内出血が起こるのは施術者が下手だから?

血管は太いものから細いものまで、身体中を網の目のように広がっています。毛細血管にまったく触れずに鍼治療を行うことは、どんなに技術力の高い鍼灸師でも難しく、内出血を完全に防ぐことは基本的には不可能とされています。

ただし、鍼の刺し方や抜き方などの技術や工夫によって、なるべく内出血が起こらないように努めることはできます。内出血が気になる人は、内出血のリスクを抑える対策を取り入れているサロンや治療院を選びましょう。

内出血に腫れや痛みは伴うの?

血管にも神経が通っており、施術を受けているときに皮膚の奥のほうでチクッと軽い痛みを感じた場合は、鍼が血管を傷つけた可能性があります。また施術中には気づかず、施術のあとで内出血に気づくこともあります。

内出血には、出血した血管によって動脈性の内出血と静脈性の内出血があります。動脈性の内出血は、鍼を抜くとすぐに腫れてくるので施術中に気づくことが多く、その場でケアすることができます。一方、静脈性の内出血は、鍼を抜いてから少しずつ出血し、痛みも感じないことがほとんどです。そのため、施術後数時間たって、あるいは翌日以降に皮膚の腫れや色の変化が現れて内出血に気づくことが多いといいます。

通常、鍼治療に使用される鍼は、0.1~0.18mmという髪の毛ほどの細さです。動脈性でもあっても静脈性であっても、非常に細い鍼による内出血ですから問題はありません。ときには内出血の範囲が少し広がる場合もありますが、広がると同時にだんだん薄くなってきます。体質にもよりますが、長くても2~3週間ほどで消えることが多く、痕に残ることはまずありません。

鍼治療で内出血を起こしやすい人

毛細血管の血流が悪い人が内出血を起こしやすい

太くて弾力のある血管は、鍼治療に使うようなごく細い鍼が刺さっても、内出血を起こすことはありません。内出血は、細くて弾力がない毛細血管に起こりやすく、特に血流が悪くなると、血管そのものの酸素や栄養が不足し、弱く破れやすい状態になってしまいます。
血流が悪くなる原因としては、糖尿病や高血圧、高脂血症などの病気、加齢、喫煙などが挙げられます。血流が悪くなり血管がもろくなると、内出血が起こりやすいことに加え、血液を固める力も弱まる傾向があるため、内出血が消えるまでの時間も長くなると考えられます。また、病気の治療で抗凝固薬など、血液をサラサラにする薬を飲んでいる人も、血液が固まりにくくなるため内出血が起こりやすく、消えるまでに時間がかかる傾向があります。
ほかに、遺伝など生まれつきの身体質であざができやすい人、疲労やストレス、ダイエットなどで胃腸の働きが低下している人も、内出血を起こしやすいと考えられます。

食生活、日常生活でもケア可能です

前文でもあるように、胃腸の働きが低下している可能性もあるので、食べ物にも気を配りましょう。
冷たいものを避け、消化に良いもの(湯豆腐・ささみ・青菜など)がおすすめです。

コリが強いところ&疲れがたまっているとろこは、血流が悪くなっている場合が多いので、しっかりお風呂で温まり全身の血流を良くしてあげましょう。
首の付け根や骨盤周りは太い血管が通っている所なので、そこにシャワーを当ててあげ、集中的に温めて、詰まりを取ってあげるのも効果的です。

内出血は悪いものではない

悪いものが外に出てよりよい状態へ改善する

目立つ場所に内出血ができると、人の視線が気になったり、恥ずかしくなったりするかもしれません。確かに内出血はあまり印象のよいものではありませんが、身体にとっては決して悪いものではありません。東洋医学の考え方では、内出血は身体の中の悪いものを外に出してくれるもの、停滞していた気や血液の流れをスムーズにして、身体の不調を改善してくれるものと考えます。
私たちの身体にもともと備わっている自然治癒力によって、内出血が起こった場所では、皮膚の組織が修復され、新しい肌へと生まれ変わっていきます。内出血は、身体の状態をよくするための自然な作用であり、内出血が治る過程で身体の悪い部分も一緒に改善されていくと考えられているのです。内出血を「嫌なもの」と思わず、ポジティブに受け止められるといいですね。

鍼治療で起こる内出血の予防法と治し方

美容鍼での顔の内出血

内出血そのものは、身体に害をおよぼすような悪いものではありません。通常は自然に治るので、何もせずそのまま様子を見てもいいでしょう。ただし、顔にできた内出血は目につきやすく、美容的な観点から気にされる方が多いでしょう。その場合はすぐに冷やして炎症を抑え、落ち着いたら温めて血流を促すなどのケアを行うと、治るスピードが早くなるといわれています。
結婚式や成人式などのイベントや大事な予定の前など、顔に内出血ができると困る場合には、顔の目立つところへの施術は避けたほうがよいでしょう。あごの下や耳の周り、頭皮への鍼でも、顔への施術と同様の効果が期待できます。鍼灸師に相談してみてください。

内出血の予防法

先ほどもお話しした通り、身体中に網の目のように広がっている血管をよけて鍼治療をすることは難しく、内出血を完全に予防することは残念ながらできません。しかし、内出血のリスクをできるだけ抑えるために、対策を講じることは可能です。
例えば、鍼が太いほど内出血が起こりやすいため、より細い鍼を使うことは内出血予防につながります。鍼灸で使う鍼は一般的な注射などで使う針と比較するととても細く、なかには0.1~0.18mmという髪の毛ほどの細さ(注射針の1/3以下の太さ)の鍼もあります。
さらに、鍼の刺し方や抜き方、鍼を抜いたあとの手技など、施術者の技術や工夫で内出血のリスクを減らすことも可能です。内出血予防のためには、技術力が高く、経験豊富な施術師がいるサロンや治療院を選ぶことも重要といえるでしょう。

内出血の処置法・治し方

内出血がみられたら、指で軽く押さえたあと、氷などで冷やします。もむと内出血が広がってしまうので、もまないようにしましょう。その後、温めると血流がよくなり、リンパの流れもよくなるため、内出血の治癒スピードも早まる傾向があります。病気など、内出血が起こりやすく、治りにくい要因がなければ、ほとんどの人は何もしなくてもだんだんと色が薄くなり、数日~2週間程度で消えます。

心配なことや気になることは鍼灸師に相談を

内出血を起こすと、皮膚が赤紫色や青色に変色するため、驚いたり不安になったりする人もいるかもしれませんが、身体に悪影響があるものではないので、あまり心配することはありません。ただ、顔や目立つところにできるとなると、やはり気になりますね。鍼による施術を行うサロンや治療院の多くが、鍼灸師ができるだけ内出血しないように、それぞれ対策を考え工夫しています。「内出血ができないようにしてほしい」「顔の目立つところは避けてほしい」などの要望や、気になること、心配なことがあれば、施術前に鍼灸師にご相談ください。

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本コラムの監修

CHIHIRO

美容鍼灸サロン CALISTA美容鍼灸サロン C by CALISTA 総院長
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(鍼灸師)

経歴:
大学卒業後、TV局アナウンサー、PR会社勤務を経て、女性限定鍼灸サロンCALISTAを設立。雑誌・テレビなど掲載多数。多種の口コミサイトで高い評価を集める。美容鍼・経絡美容鍼灸の第一人者。著書に『~ココロとカラダがかがやく~ 美人のツボ』、『~女性限定鍼灸サロンが薦める~ 美ツボBOOK』がある。

所属:
伝統鍼灸学会全日本鍼灸学会日本鍼灸師会東京都鍼灸師会

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