「なんだか今日は顔色がすっきりしない。」「ファンデーションをのせても何か仕上がりが良くない」そんな経験はないでしょうか?
まさに肌がくすんでいる状態ですね。美容鍼施術は、そのような症状の顔に直接鍼を施術するだけにとどまりません。顔のまわりの部位、つまり首や肩へも鍼を施すことで、くすみ、くまのお悩みを根源的に解決し、内面から真の美しさを引き出す施術の考え方と方法をご紹介します。
肌のくすみの原因は、血液にあり
健康な状態では、血液の巡りが良いと血管が拡がり、皮膚は赤みをおびてピンク色になります。しかし、血流が悪くなると、肌は透明度の低くなり黒ずみすんだ印象になります。これがいわゆるくすみのしくみです。
目の下の皮膚は薄いため、血液の色が特によく見えるので、血行不良による肌色の変化が目立ちやすいのです。これが目の下に現れるのが、いわゆるくまです。
また、血行不良になると、新しい皮膚の産生が遅れターンオーバーされなくなります。つまり古い角質が剥がれ落ちず肌表面にとどまるため、肌の透明度がさらに損なわれてしまうことになるのです。
「そういえば肌がくすむのはいつも生理の前?」そうなのです。月経が不調のときは血行不良になりやすいので、肌はくすみやすくなります。月経周期が乱れがち、月経痛がある、経血量が多い、という方に、鍼灸治療で身体全体に、顔だけケアしていた時より顔色が良くなったケースが多くあります。その他にも冷えや運動不足による血行不良がくすみに繋がる場合も多いです。
つまり、くすみの予防、くすみの解消には、「血行改善」がポイントなのです。
血行改善の近道は、首肩こりの解消
血行を妨げるもの、それはコリです。筋肉に負荷がかかりコリになると、このコリが血行を妨げ血液が肌へと行き渡りにくくなります。そうすると、くすみになりやくなるのはもちろん、その他の肌トラブルもおきやすくなります。
顔のくすみに関係が強いコリは、主に2つ。ひとつは、当然ですが顔面のコリ、そしてもうひとつは首前方のコリです。
顔面のコリ
顔面のコリは、あごをかみしめる癖がある方に見受けられます。筋肉は筋膜によって他の部位の筋肉とつながっているので、かみしめることが多いと顎の筋肉がコリやすくなり、それが顔面のコリにつながるのです。
首前方のコリ
普段パソコンやスマートフォンをよく使う人に見受けられます。情報機器の画面を使うときに、首が通常より前に出る姿勢を長期間繰り返すと、コリになりやすくなります。このような方には、1~2時間ごとに1回程度作業をとめて、肩胛骨を回す運動や首のストレッチをすることをお勧めします。
くすみ、くまの鍼灸治療
美容鍼では、顔以外にあるツボにも鍼をし筋肉のコリをほぐし、そして顔面へとアプローチしていきます。
あごをかみしめる癖がある方は、ストレスの影響を受けている方が少なくありません。
顎にこりがある方には、耳の後ろ側や耳の前方にあるツボに鍼をします。首まわりや背骨、手首、みぞおちなどにも施術し、ストレスを緩和していきます。
肩こりのある方には、首の後ろにあるツボに鍼をし、肩や背中、頭部に広がったコリをほぐす治療をします。
コリに対処すると血行が改善し、
首まわりから老廃物も流れ、栄養も顔に行き渡り、顔色が良くなるのが見られます。
おすすめするのセルフケア術
肩のマッサージやストレッチを自宅で朝のお化粧前、夜の寝る前にするだけでも、ある程度の改善を期待できます。顔面のコリが強い方は、ふだんからご自身でこめかみを中心にマッサージをしていただくこともお勧めしています。ただし、強くマッサージすると摩擦が生じて肌を傷つけシワの原因となるため、クリームやオイルなどを使いましょう。
また、お肌への栄養の多い血液をしっかり巡らせるため、造血作用の多い食品・ひじきやプルーン、レーズン、青魚類を意識して摂るようにします。
このようにして、栄養や酸素をスムーズに補給し老廃物を排泄すれば、お肌のくすみは回復してゆきます。
一的な疲労による血行不良であれば、充分に栄養を摂ってぐっすり眠れば回復を期待できますが、セルフケアだけでは改善があまり見られないと感じたら、鍼灸院にお気軽にご相談ください。