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鍼灸治療で肩こりを改善

多くの人が悩んでいる「肩こり」。その原因はさまざまですが、「たかが肩こり」と放っておくと、症状がどんどん悪化し、日常生活に支障を来すようになることも……。そんなつらい肩こりですが、鍼灸治療によって改善できることもあります。鍼灸ならではの、肩こり改善のためのアプローチをご紹介します。

目次

肩こりのメカニズム

肩こり発生のメカニズム

肩こりとは、肩の周辺の筋肉が緊張・疲労することで血行が悪くなって起こります。筋肉が凝り固まった状態になると、自律神経の働きに障害が起こり、交感神経(活動的なときに働く神経)と副交感神経(リラックスするときに働く神経)のバランスが乱れ、さまざまな症状が起こります。

初めのうちは、首から肩にかけての部分に重く不快な症状がみられますが、ひどくなると、めまいや吐き気、頭痛、眼精疲労などの症状が起こることがあります。さらに、寝違えや不眠(なかなか寝つけない、眠りが浅い)など、一見、肩こりと無関係に思える症状が起こることもあります。

肩こりの原因

肩こりはさまざまな原因によって起こりますが、ストレートネックという、不自然に首の骨がまっすぐな状態になってしまうことも原因の一つと考えられます。これは、パソコン作業やスマートフォンのゲーム、読書などにより長時間同じ姿勢でいることで起こります。

また、運動不足によって筋肉の柔軟性が低下したり、血行が悪くなり老廃物がたまりやすくなったりすることでも肩こりが起こります。さらに、ストレスなど精神的な要因によって自律神経のバランスが乱れることや、無意識のうちに緊張して体に不自然に力が入った状態になること、パソコンやスマホなどの使い過ぎで目が疲れることなども、肩こりにつながることがあります。

肩こり解消の治療方法とその効果

肩こり改善の治療方法

肩こりの原因や症状、その程度には個人差があります。また、筋肉や骨格の状態もひとりひとり異なるため、その人の体の状態をよくみた上で治療の仕方を検討します。
一般的には、肩こりの場合、まずは筋肉のこりをほぐし、血流をよくするためのアプローチをします。首から肩にかけての「肩井(けんせい)」「天髎(てんりょう)」、腕にある「手三里(てさんり)」「列缺(れっけつ)」などのツボに鍼を打ち、刺激をすることでこりを和らげることができます。

冷えにより肩こり(四十肩・五十肩)

四十肩や五十肩などには、症状が起こったばかりの急性期と、症状が長く続いている慢性期があります。急性期には、炎症をともなうことが多く、そのときに強くマッサージをするなどして刺激を与えると、かえって症状が悪化してしまうことがあります。そのため、急性期には患部に直接アプローチせず、アイシングなどで炎症を落ち着かせることを優先させます。

四十肩や五十肩では、肩の「天宗(てんそう)」「中府(ちゅうふ)」「肩髃(けんぐう)」、おしりにある「環跳(かんちょう)」などのツボを刺激します。四十肩や五十肩は、運動不足や冷えが原因で起こることもあります。その場合には温めることが望ましく、お灸を使って施術をします。

頭痛をともなう肩こり

肩や首のこりが長引いて血流が悪くなることで頭痛が起こりやすくなることがあります。頭痛にもさまざまな種類がありますが、肩こりと関係が深いとされる頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれるタイプです。血流が悪くなって頭部の筋肉が緊張し、収縮することで頭痛が起こると考えられます。

頭痛には、足の「足通谷(あしつうこく)」「陽陵泉(ようりょうせん)」や手の「合谷(ごうこく)」、耳の後ろの「翳風(えいふう)」などのツボを刺激することで、痛みが和らぎやすくなります。

肩こり解消の治療例を紹介

一般的な肩こり治療の改善例

50代女性の治療例

■症状:20代のころから肩こりがひどく、肩こりからくる頭痛がつらくて毎日頭痛薬を服用していました。

■治療内容:肩に加え、首のこりもひどかったので、肩と首の筋肉の緊張を和らげ血行を改善するために、肩、足、腕のツボにアプローチしました。

■どう改善したか:足と腕のツボを刺激することで肩の筋肉の緊張が和らぎ、肩こりと頭痛が改善。頭痛薬を飲まずに生活できるようになりました。こりが強いと体の緊張が強く、寝ている間にも歯ぎしりをしたり、無意識に体に力が入ってしまったりして余計にこりがひどくなることがあります。首のこりを改善すると睡眠の質もよくなるため、ぐっすり眠れて心身がリラックスすることでも体の緊張がほぐれ、肩こり改善につながったと考えられます。こりをほぐすためには脱力が大事ですが、「体の力を抜く」ことは意外と難しいもの。鍼灸によりアプローチすることで、体の緊張をほぐす効果も期待できます。

■通院期間:最初は週に2回の通院を3週間続け、集中的に体を変化させるようにしました。改善がみられ頭痛薬の量を減らせるようになったため、週1回の施術を1~2カ月継続し、その後は2~3週間に一度の通院を続け、現在もよい状態をキープできています。

■お客様の感想:「長年肩こりと頭痛に悩み、一生このままだと思っていました。鍼灸でこんなに楽になるなんて驚きましたし、もっと早く出会いたかった! 娘も私に体質が似て、同じように肩こりや頭痛で悩んでいたので、私のように長年苦しまずにすむように、一緒に通うことにしました。肩こりや頭痛が改善して体調がよくなり、これまでは苦手だった運動やヨガに挑戦したり、趣味の習い事を始めたりと、積極的にいろいろなことを楽しめるようになりました」

肩こりの鍼灸治療における注意点・ポイント

治療効果には個人差がある

肩こりの原因や症状、それに応じた治療がひとりひとり異なるように、治療効果のあらわれ方にも個人差があります。治療をしてすぐに改善する人もいますが、特に肩こりは、いくつもの要因が重なっていたり、長期間症状が続くことで筋肉の疲労が激しかったりというケースも多く、短期間で症状を改善することが難しい場合もあります。

何度か治療を繰り返すことで少しずつ症状が改善し、治療の効果を実感できるでしょう。また、症状が改善した後も、1カ月に1~2回ほどの頻度で定期的に施術を受けることで、よい状態をキープすることが期待できます。

鍼灸治療院と整体・マッサージとの違い

体の不調を改善するための治療院には、鍼灸治療院、接骨院、整骨院、整体院、カイロプラクティックなどさまざまな種類があります。そのうち、鍼灸治療院では鍼灸師という国家資格を持った人が、接骨院や整骨院では柔道整復師という国家資格を持った人が施術をおこないます。一方、整体院やカイロプラクティックは、民間資格を持つ人が施術をおこなう施設です。

また、「鍼灸」といっても、こりや痛みなど体の不調を改善するもの、スポーツ選手などを対象としたもの、美容的な要素を取り入れたものなど、いくつかの種類があり、施設によって方針や施術内容が異なります。

費用については、痛みやこりなどを改善する鍼灸治療院、接骨院、整骨院での治療の場合は健康保険を利用できることがありますが、美容目的の鍼灸は保険適用になりません。自分の症状と目的に合った施設を選び、事前に費用や保険適用の有無などを確認しておくと安心です。

まとめ

肩こりは、つらさをがまんして放置している期間が長いほど、筋肉の緊張と疲労が蓄積され、改善するまでに時間がかかります。鍼灸で、ひとりひとりの原因や体の状態に適した施術を受け、つらい症状の解消を目指しましょう。肩こりがつらいと感じている人は、がまんせず、早めに鍼灸師に相談してくださいね。

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本コラムの監修

CHIHIRO

美容鍼灸サロン CALISTA美容鍼灸サロン C by CALISTA 総院長
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(鍼灸師)

経歴:
大学卒業後、TV局アナウンサー、PR会社勤務を経て、女性限定鍼灸サロンCALISTAを設立。雑誌・テレビなど掲載多数。多種の口コミサイトで高い評価を集める。美容鍼・経絡美容鍼灸の第一人者。著書に『~ココロとカラダがかがやく~ 美人のツボ』、『~女性限定鍼灸サロンが薦める~ 美ツボBOOK』がある。

所属:
伝統鍼灸学会全日本鍼灸学会日本鍼灸師会東京都鍼灸師会

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